Witch さんの感想・評価
4.2
(最終)これは「令和版『月刊少女野崎くん』」→王道ラブコメを見事にアップデート!!
【レビューNo.47】((最終レビュー)初回登録:2023/4/1)
コミック原作の2023年作品。全13話
(ストーリー)
ボーイッシュな女の子×鈍感な幼なじみが織り成す、青春ラブコメディ。
幼なじみの久保田淳一郎に恋するボーイッシュな女子高校生・相沢智(トモちゃん)の乙女
心は淳一郎に届くのか…!? (作品情報より抜粋)
(評 価)
・素早い切り返し。淳一郎目線で描かれた第2話が上手かった!
・1話は想定通り、トモちゃんが淳一郎に“女の子”として見てもらえず空回りしてる様子
やトモちゃんの「残念女子ぶり」を上手く印象付けた半面、
「この展開で十数話続くのか?」
と不安も感じたのだが・・・
・{netabare}ところが2話早々に、実は淳一郎はトモちゃんのことを“女の子”として意識していて、
今度は素直になれない淳一郎の空回り振りをぶっ込んできたのは本当に上手かった!
以降の展開で、トモちゃんだけでなく「実は互いにすれ違ってる」というワンランク上
のギャグに昇華できるようになり、淳一郎の行動原理が「友情だけなのか?」という彼
なりの「ラブ」も表現可能となって、エピソードにグッと幅が広がった感じですね。
(これは「野崎君」にはなかった秀逸な仕掛けでしたね(^_^)){/netabare}
・サブキャラもしっかり育てていた
・3話終了時点では、「群堂以外のサブキャラが弱く大丈夫か?」という懸念があったの
ですが4話以降でその点についても手を入れてきました。これでエピソードに広がりが
出てマンネリ化することなく上手く物語を進めていたと思います。
ただ「野崎君」と比べるとまだまだキャラが弱いかなっと、心配してたのですが・・・
・{netabare}9話でやられました!全てはこのエピソードへの伏線だったのか!!
・群堂:ダーティーなキューピット
・キャロル:これまで笑顔を崩さなかった彼女の渾身の泣き顔
・御崎先輩:軟弱野郎が見せた精一杯の漢気
サブキャラ達の見事な競演で神回になりましたね。
この手のラブコメではあまりカップル成立という展開は少ないのですが(ギャグの引き
出しとして引っ張るために)これはもう祝福するしかない最高の演出でした!{/netabare}
・令和版にアップデートされたレベルの高いラブコメ
・紆余曲折ありましたが、「淳一郎×トモ」も最後に
{netabare}「親友でライバルで恋人である」
という2人らしい関係で結ばれます。{/netabare}
・ジャンル的には「野崎君」の流れを汲み(「野崎君」のレビューで解説したように)
・王道パターンを丁寧かつ全力でやる。
・サブキャラも丁寧かつ魅力的に描き、キャラを育てていく。
・それをテンポや演出等で効果的にアニメとして面白く魅せる。
という基本を踏襲した、コメディに主軸をおいたラブコメだったと思います。しかし
「ラブ」の部分でもしっかり魅せる。それも作品の全体像ときちんと調和した形で。
これは令和版に見事にアップデートされた、レベルの高いラブコメだったなと。
基本は「淳一郎×トモ」たちのラブコメでしたが、{netabare}群堂が時折みせるトモへの複雑な感情{/netabare}
も、今までのラブコメにはないスパイスの利いた演出でよかったかな。
作画も始めの方はちょいちょい怪しく気になったが、途中から慣れたのか改善されたのか、
あまり気にならなくはなってたな。
OPが実はかなり秀逸だったと思います。OP映像を見ればどんな作品か1発でわかるし、
曲もコミカルでマッチしてましたね。
「挙・動・不審は~♪」から始まるEDのキャラソンも、この作品らしい味がありGood!
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過去レビュー(2023/1/28 4話分)
【4話分追加】やはり基本を丁寧にやるラブコメは面白い
{netabare}
(評 価)
・基本に忠実→サブキャラを丁寧に描いた第4話
前回のレビューで指摘した「サブキャラの魅力がまだ弱い」。ここにちゃんと手を打ってきました。
やっぱり制作陣はちゃんと分かっています。本作の基本構造はとてもシンプルです。
★トモちゃん、淳一郎の「ラブ」をしっかり「コメディ」で落とす
それゆえに飽きられやすい危険もはらんでいます。なので「サブキャラを魅力的に育てる」作業は
必須です。今回は群堂をはじめキャロルや御崎の新たなる魅力を上手く印象付けました。
しかもギャル2人も使い捨てでなく、ちゃんと活用しています。こういう地道な展開は必ず後半に
活きてきます。この先も楽しみです。
・2話の展開が活きる淳一郎の言動の意味
前回のレビュー「淳一郎がトモちゃんのことを“女の子”として意識してる展開を早々にぶっ込んで
きたので作品への評価は一変」について解説。
{netabare}
「トモちゃんが淳一郎に抱きついてみるシーン」ですが、上述展開がなければ淳一郎はただの鈍感
野郎で普通のギャグ展開です。でも淳一郎がトモちゃんへの「ラブ」ゆえのあのリアクションなら
、景色はまるで変わってきます。トモちゃん「淳一郎は鈍感野郎」→「それはおめえもだよ!」
という一つ上の笑いに昇華できます。互いに思い合っての行動なのに、共にすれ違うというWの面白
さに繋がります。
それに上級生をボコった淳一郎の動機は「友情」だけなのか・・・それをまた敢えてトモちゃんに語
らないところにきちんと淳一郎なりの「ラブ」が成立するのです。
2話があればこぞ成立する「ラブ」と「コメディ」の展開。
{/netabare}
やっていることは地道な積み重ねです。でもその積み重ねがあることで1ランク上の「ラブコメ」に
昇華できる。やはりそういう基本を丁寧にやる作品はしっかりとした面白さがあります。{/netabare}
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過去レビュー(2023/1/21 1~3話分)
【3話視聴】「月刊少女野崎くん」が帰ってきた?! 今後失速しない仕掛けを準備できるか?
{netabare}
(評 価)
{netabare}
・予想通り。トモちゃん目線で描かれた第1話
タイトル通り、淳一郎に“女の子”として見てもらいたいが空回りしてる様を中心に、とはいえ
普段の言動から「実はトモちゃんもかなり『残念女子』だよね」という部分をギャグ展開で見せ
、主人公を上手く印象付けた滑り出し。
普通に面白かった半面、「この展開で十数話続くのか?」と不安も感じたのだが・・・
・素早い切り返し。淳一郎目線で描かれた第2話
実は淳一郎はトモちゃんのことを“女の子”として意識していて、今度は素直になれない淳一郎
の空回り振りを早々にぶっ込んできたので作品への評価は一変。「これ意外といけるかも!」
最後に大きな爆弾(?)で次週も気になる上手い引きで終わったし。
・序盤の仕上げ安定の第3話
上述爆弾もこの作品らしいオチで回収すると、第3話は登場人物達の関係性の再整理や二人の恋
の前途多難さを再度印象つける丁寧な仕上げで序盤を締めくくったって感じでしょうか。
{/netabare}
ここまで視聴した感想は、「月刊少女野崎くん」を思わせる懐かさのあるラブコメ作品だなっと。
ヒロインの恋の行方を巡るドタバタ感やノリや勢い、ラブとコメディのバランス等作品の空気感が、
ちょうどあの作品を彷彿させるんですよ。
(本作も4コマ漫画原作らしいので、テンポ等が近いのかも)
本作も目新しさはないが、古典的な展開を基本通り丁寧に描いているので安心感があるというか。
ただ「月刊少女野崎くん」は個人的に、「ラブコメの教科書」ともいうべき超優良作品なんですよね。
(初心者の方に「オススメのラブコメは?」と聞かれれば、迷わず(入門書として)本作を推すレベル)
そんな「野崎くん」との比較からの懸念材料
・サブキャラの魅力がまだ弱い
親友の群堂以外は今のところ何とも・・・
「野崎君」はサブキャラの個性と魅力もしっかり描かれており、サブキャラだけでも話を回して
いけるレベルだったが、本作はどうか。まだ新キャラ登場するんですかね。
・多面的な展開は可能なのか
「野崎くん」は主人公が「学生少女漫画家」ということから、そちら方面の話を展開したり、サブ
キャラの部活ネタやサブキャラ同士の恋模様といった多面的なストーリーで最後まで飽きさせる
ことなく完走しましたが、本作はどう打開していくのか。
・作画がちょいちょい怪しい
個人的には作画はあまり気にならない鈍感な方なのですが、その私が気になるレベルというのは
ちょっと問題かも(笑)
今期期待してた作品「スパイ教室」「久保さん」→大外れ、「アルスの巨獣」→テンポヤバくない?!
等で、個人的には「トモちゃん」がNo.1になる可能性も浮上してきましたね。主人公トモちゃんは魅力
的に描かれていると思うので、今後失速せずに完走できるかに注目ですね。
{/netabare}
(2022/1/23追記)
【レビューNo.22】「月刊少女野崎くん」のレビューアップ。
本作に興味を持たれた方はそちらを参照ください。